想像が時代を変える

2020-1-31

2020年に入ってもう、1ヶ月が経とうとしている。
日々とにかく忙しいというか、まさに時代の流れと同じでエクスポネンシャル的にやることが増えていっている。

3月いっぱいで文星芸術大学の専任を辞めさせてもらい、特任教授としては残るが、9月から中国南京の南広学院でマンガとテクノロジーを研究し、コンテンツ化、そしてビジネスに結びつける学科を立ち上げる。
そういったことから4月からは月の3分の2は中国ということで現在準備をしているのだが、今、中国は新型コロナウイルスで、春節後で進めていた中国での打ち合わせ、契約など遅れることになりそうだ。

文星芸大の方も、大学で受け持っていた授業、講義に加え、昨年よりアニマルアート、今年からマンガアニメーションなど新しい授業を増やしてきたこともあり、昨年より今まで受け持っていた授業などサポートしてもらえる先生を探して、東京へ戻ったときには飛び回っている。

大学で学び研究するマンガは、雑誌に掲載されるマンガだけではない。
今からは、すでに大学のある栃木の那須、さくら市でスタートしている「プロジェクト9b」や「嶋子とさくらの姫プロジェクト」といったARを使って、キャラクターがスマートフォン上で観光案内やスタンプラリーをしてくれるシステム。
昨年、ゼミ生が創った3Dモデリングで描いたマンガの中に、VRで入ることのできるシステム。
とくにこれからは、Wi-Fi6や5Gによって、すべてがIoTとつながる、街全体がスマートシティとなるシステムにもマンガのキャラクターを使ってのコンテンツがどんどん生まれてくることになる。

http://www.project9b.com/
プロジェクト9b

https://www.tochigiji.or.jp/spot/19035/
嶋子とさくらの姫プロジェクト

今年、中国の研究所で研究を進めて行きたいのが、ハプティクス(触覚技術)だ。
キャラクターと握手やハグができるとともに、衝撃や振動などの体感もコンテンツの表現として創れると考えている。
すでにいろいろな研究者が進めている五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)すべてがバーチャルリアリティとしてマンガ、キャラクターと組み合わせることで、まったく新しいコンテンツを生み出すことができるそういったアイデアもある。

ちなみにそういったものは論文で書いて、シークレットで発表している。
(でなければ海外の大学で設備の整った研究室など与えられるわけないのだが)
ここに書いている日記を論文と解釈して「論文としておかしい」と言ってきたものがいるが、インターネット上にこんな形でシークレットな論文は発表するわけはないので、ここで書いていることは、あくまで自分の日記としての考えである。

この日記で何度も今、時代がいかに変わってきているか、大学はその時代の中で何をすべきか書いてきたが、テクノロジーの観点ではなく、「資本主義」の観点から見た方がわかりやすいかもしれない。

マルクスは「資本論」の中で、「お金がお金を生むシステムがつづく以上、資本家階級と労働者階級はいつまでも立場が逆転しない」と書いているが、インターネットの登場で、そのシステムは完全に変わってしまったことに気づかなくてはならない。
資本者階級はは「資本」を持っていて、つまりは大きなお金を資本として持たなければ
資本家にはなれず、資本を持たない労働者は労働者から抜け出せないという、「持つ者」「持たざる者」で、資本家階級と労働者階級は80年代あたりまでは分けられていた。
たとえば労働者(マンガ家)は、資本家(出版社)の下で働くことでお金がお金を生むシステムの常識という形である。

だが、インターネットは資本がなくても、いや、資本などそもそも必要なくても成功できる世界を創ってしまったのである。

では何が必要なのか。
たどり着く答えは、人間の考える力だと思っている。

イノベーションを起こせるのは、考える力によって、常識(ビッグデータ)の外を想像し、それをコンテンツ化できる人間しかいない。

その想像が時代を変える。
そう、想像とは研究だということだ。

日本の大学で学生を見ていると、「起業」を考える学生がいかに少ないことか。
今、世の中が変わってきているにも関わらず、「安定」を求め、それこそ過去の遺跡とかした資本家の元に行けばまだ安定だと勘違いしている。

今年、自分の周りは大きく変化する。
もちろん不安だし、楽しみでもある。
中心に立てば立つほど、「結果」を求められることもわかっている。
プレッシャーをいかに楽しめるか、プレッシャーがあるということは、それだけ大きな挑戦なわけなのだから、やりがいのある時間を生きるということでもある。

考える。考える。考える。
想像する。想像する。想像する。

そしてぼくはこの一年、創造する。

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