自由から生まれてくる使命

2019-10-30

目の回るような忙しさが日々つづいている。

今の時代、エクスポネンシャルに時代が変わっているとともに、自分がやろうとしている仕事量もエクスポネンシャルに増えていっている。
仕事量が増えるということは、経験と知識も増えていくということだ。
経験と知識が増えれば、いくつもの想像、創造が増えていく。
やりたいこととともに、やらなければならないことだと、そんな思いが沸き上がってくる。
ちばてつや先生はそういった思いを「使命」だと言ってくれている。

その「やりたいことと、やらなければならないこと」の中心となるべくプラットホームを中国に開設した。
10月9日にちばてつや先生に中国、南京の南広学院に来ていただき、「MANGAイノベーション研究所中国」の開設とともに、所長として田中誠一.の就任が決まった。

大学の一番見晴らしのいい場所にガラス張りの3部屋+テラスもある研究室1も作ってもらい、(1と書いたのは、他にも研究室を作ってもらっている)設備もデスクトップのPC8台、ノート3台、タブレットなど、必要機材として先日に伝えたものがすでに用意されている。

 

まだまだ今からチームとしての人材、とくにプログラマーとエンジニアが必要なもので、日本チーム、中国チームと、とにかくいい人材を探していかなければならない。
まず最初にやっていく研究、コンテンツ制作に関してはかなり具体的に決めているだけに、いかにスペシャリストたちをこの半年で集められるか…そう考えるとやりがいとともに、60歳を過ぎた体力がどこまで持つか…その勝負かもしれない。

ちなみにチーム名は「Let’s think」と決めている。
「さぁ、考えよう!」だ。
知識・経験だけではイノベーションは起こせない。
知識があり、経験があり、そこから考え、考え、考えて想像が、そして創造が生まれる。

10代のころからずっと大事にしている言葉がある。
『心を開いて「Yes」って言ってごらん。すべてを肯定してみると答えがみつかるもんだよ。』
あこがれのミュージシャンのひとりであるジョン・レノンの言葉だ。

Yesは可能性を無限大に広げてくれる言葉だ。
NOと言えば、未来の扉を自分で閉じてしまい、可能性をそこで断ち切ってしまう。

劇作家の倉田百三が、哲学者の西田幾多郎の本を読み、こういった文章を残している。
「個人あって経験あるにあらず。経験あって個人あるのである。個人的区別よりも経験が根本的であるという考えから、独我論を脱することができた」

ぼくらは自分が変わるために経験しなさいと子供のころ言われてきている。
成長するために経験が必要だと教え込まれてきた。
だが、Let’s thinkしてみる。
赤ちゃんは「経験」があり、「成長」がある。
ひとつひとつの経験が、生きるための成長としてインプットされていく。
その「経験」はやらされて「成長」ではなく、自分の自然の経験から「成長」してきたはずだ。
そう、「経験」あって「成長」が生まれてくる。
だがいつのころか、「しつけ」という「やらされる経験」が大人たちによって投げかけられてくる。
その経験はYesの成長ではなく、まさにNOを教え込まれる、大人や権力者によって便利な教育という経験だ。

だからLet’s thinkだ。
Noと言わずに、Yesと言ってLet’s think。
Noはいつだって言える。

人は自由なはずだ。
人はその自由の中で成長したいといくつになっても考え、経験を得て自分の答えを探し続けている。
ぼくはこの歳になっても、やはり成長し続けたい。
働くというより、成長を求めてYesと言い続けて走り続けているだけなのかもしれない。
走り続けることこそが、最大の経験だ。
そのYesの経験から人は無限大に成長していける。
それこそが自分の中の生きる意味であり、生きる自由かもしれない。

そしてそれが、自由から生まれてくる、まさに使命なのかもしれない。