研究にはつねに哲学を

2019-9-30

来月の10月9日に「ちばてつやMANGAイノベーション研究所」の中国支部を立ち上げる。
ちばてつや先生にも、中国、南京にある伝媒南広学院大学に来ていただき、メディア発表をすることになっている。

今やシリコンバレーよりもイノベーションを起こしている、世界一のITの町、深センの研究者たちともチームを組む話しも出てきている。

先月のブログでも書いたのだが、今、世界を動かしているのはアメリカのGAFA(グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)、アマゾン(Amazon))。
中国のBATH(B〈百度(バイドゥ)A〈阿里巴巴集団(アリババ)T〈騰訊(テンセント)H〈華為技術(ファーウェイ)) である。
そのGAFA、BATHで共通するのは、すべて「情報」のプラットフォーマーである。

そう、2000年以降、「製造」ではなく、「情報」が世界を動かし、日本はその「情報」に乗り遅れてしまっている。

ただマンガというコンテンツは、間違いなく日本のブランドとして世界が認めている。
そのマンガは「情報」だとみんなはわかっているのだろうか。

笑ったり、感動したり、マンガ作品としての情報ももちろんあるのだが、キャラクターという情報となれば、IoTすべての情報の中で活かすことができる。

今、ぼくが中国で取り組む「情報」としてのマンガは、もう待ったなしの超高齢化問題である。
2025年、日本は団塊の世代がすべて75歳を超え、人口の18%以上が75歳を超えてしまい超高齢化社会となる。
中国も2025年には60歳以上の高齢者が3億人を超えると言われている。

それをテクノロジーを使ったマンガで解決できないかと、中国の大学に向けて論文を先月に書かせてもらい、一気にちばてつやMANGAイノベーション研究所の話が中国で進んでいったというわけだ。

大学の方も来年4月からは、中国の大学での研究に集中すると決め、ちばてつや先生も応援してくれている。

ただ、現在の文星芸術大学でアニマルアート、アニメーション、地域連携などいくつも立ち上げた張本人なもので、引き継ぎの先生を育てるまでは、特任教授という形で、月の3分の1ほどは文星芸術大学の方にも行かなければならなくなりそうだ。

もうひとつ、今から取り組むことで一番大事なことがある。
それは「幸福」ということだ。
研究をし、便利になったコンテンツを創り上げたとして、それが「幸福」だとは限らない。
人間は前に進み始めたら後戻りはできない。
医療なら、人はゲノム編集によってガンなどの死から逃れることができ、普通に100歳以上生きられることになっていく。
移動も通信も消費も仕事も、すべて間違いなく「便利」になっていく。
だがそれが「幸福」とは限らない。

研究し、コンテンツを生み出し、それをビジネス化していくには、「幸福」とは何かという哲学がなければならないと思っている。
自分があと何年生きるかはわからないが、「研究」にはつねに「哲学」を持って考えていきたい。

そういうことだ。

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