2018年10月24日
大学での講義、研究会での講義、行政に呼ばれての講演と、いろいろな場所で毎週のように「今」を話している。
「今」というのは、テクノロジーによって大きく時代が変わってきている「今」の話しだ。
ここに何度か書いてきた、今年の4月にスタートした「プロジェクト9b」は、姫川明輝先生の、那須に何度も足を運び生み出した、それぞれの那須のスポットで生み出したキャラクターたちが、ARシステムでスマートフォンを通して、その場に行くと表れ、観光案内をしてくれるといったシステムである。
大学の田中ゼミには、他にも行政を中心に制作依頼が来ていて、つねに20以上のプロジェクトを抱えているのだが、その数が間違いなくムーアの法則(エクスポネンシャル)的(笑)に増えていっている。
こういったマンガを使ってのARはまさにIoT化の時代において無限の可能性を秘めていることは間違いない。
IoTと書いたので、数字でIoTのことを書いておく。
総務省によると、インターネットにつながるIoTディバイスは、2016年において173億個がつながり、2020年には300億個がIoTのデバイスによってつながると予測している。だが、2020年からはスマートフォンが5Gへと変わることになる。
それはまさに、この世に存在するモノのほとんどが、IoTにつながり、IoTがつながれば、そこにはマンガやキャラクターもつなげることのできるということなのだ。
そもそもスマートフォンが5Gになるとはどういうことか。
簡単に言えば、「● 高速・大容量」「● 低遅延(ていちえん)・超高信頼」「● 多数同時接続」の3つが上げられる。
超高速ネットワークはLTEの100倍。1,000倍の大容量化になり、LTEでは5Gと同等の送信成功率を達成するのに無線区間5ミリ秒以上の遅延時間を要したが、5Gでは無線区間1ミリ秒以下と、5分の1以下に遅延時間が短縮されることになる。
多数同時接続では現状の100倍以上の端末接続をサポートすることとなる。
これは1㎢あたり100万台以上のデバイスと同時に接続することが出来るというわけだ。
つまり、2019年全米で、2020年には日本でサービスがはじまる5Gは、あらゆることのできるコントローラーになってしまうことで、時代は間違いなく変わってしまう。
たとえば医療に関して言えば、血圧や心拍数などモニターで主治医に送られ、異変があれば8Kカメラによって遠隔で診察もできる。(もちろんここにも、キャラクターを使うことができる)
AIともつなげれば、ガンなどの早期発見までも見つけ出してもらえる。
じつは今、興味を持っている、ハプテクスとつなげれば、触覚までもスマートフォンで伝えることができるわけだから、簡単な手術ならスマートフォンで遠隔でできるかもしれない。
触感を伝えることができるということは、スマートフォンやタブレットでのマンガの中で衣服の質感を伝えることはできるし、衝撃力や、吸い込まれる感覚をも表現として使うことができることになる。
他にも今、デジタル上で研究されていることが、5Gになることで、人間の視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚までも、スマートフォンで伝えることができる形になるということである。
とくに視覚に関しては、自由視点カメラによって、たとえば野球のスタジアムの客席にいながら、スマートフォンで、グランドに立った位置で、選手の横で試合を観戦できることだってできる、つまりリアルVRを体験、体感できるテクノロジーが2020年のオリンピックに向かって形になってきている。
これも新しいマンガコンテンツを生み出すことができるテクノロジーだ。
まだまだ凄い研究は、大学、民間の研究所で行われてきているわけなのだが、こういったテクノロジーは、マンガやキャラクターを創る側からすると、無限の表現手段を与えてもらっている。
いやいや、表現者にとってはとてついもなく面白い時代になってきたことだけは間違いない。
そういった「今」を、研究、制作とともに、大学での講義、研究会での講義、講演で、夢を語るように話している。
今週末からは、中国の上海の高校や専門学校で5日間ほど、大学でマンガを研究することについて夢を話してくるつもりだ。